美術館巡りと音楽と

主に東京近辺の美術館、企画展巡りの徒然を。できればそこに添える音楽を。

版画

没後200年 亜欧堂田善 江戸の洋風画家・創造の軌跡

なんでも同じだけど、知られていないから劣っているとは限らない。 殊エンタメにおいては知名度は必須とはいえ、アートの領域においてはそんなものは偶然性以外のなにものでもなくて、作品の本質を評価するものではない。 しかし、知られていないから劣って…

ヴァロットン 黒と白

コロナが少し落ち着いて以降、音楽エンタメにおいては海外アーティストの来日もバンバン増えており、嬉しい限りだ。 そして美術館においても、海外の美術館とのやりとりも再開できたのか、様々な企画展が開催されており、こちらも非常に嬉しい限りである。 …

鉄道と美術の150年 −時代の変化の渦中

現代においてはただの芸術の一つとして、ある種現実社会から切り離されたようなところにあると認識されているのかな、という絵画だが、かつては新聞のように最新情報を伝えるメディアだったり、教養を示すものだったり、あるいは神の言葉を伝える媒介だった…

川瀬巴水 旅と郷愁の風景

日本人は西洋コンプレックスが強いと言われて久しいが、おそらく一定の年齢以上の人は染み付いている価値観の一つだろう。 若い子たちを見ているとそんなことはないし、むしろある層においては無関心ですらあるように思う。 芸術においても西洋美術がいかに…

吉田博展 -東京都美術館

桜もすでに満開の上野、平日なのに人多いな、と思ったらすでに春休みの時分である。 修学旅行か何かか、中学生か高校生の子らもちらほら。 それにしても、美術館にいる女の子は可愛く見えるのはまあだいぶ気のせいだろうが、ともあれ絵もさることながらつい…

電線絵画展 -練馬区美術館

企画展の面白いところは、特定のテーマに沿った見方を提示してくれるので、私のような素人にも絵の見方をわかりやすく教えてくれるところだ。 絵はただの風景の私でも写真の代わりでもなく、作家により再構築された世界である。 それは色彩に限らず構図もそ…