前日に引き続き北陸にて、今日は富山県である。
前日に入り、例によって夜はフラフラと飲み屋を探す。
私の方針として、必ずしも特産物を食べたいわけではなく、その土地土地の地場のお店であれば良いのだ。
むしろ観光化された名産よりも、よほどその方が美味しいものにありつける。
と言って入ったのは焼き鳥屋、本当は他に入ろうと思った店があったのだが、満席の様子だったので。
とはいえこの店も全然悪くなく、まあ特別美味いというわけでもないが生はしっかりと冷えており、いい感じに放っておいてくれて丁度いい。
なんとなく頼んだいたわさが、やたらしっかりした蒲鉾だったのだが、これは特産品らしいね。
歯応えがしっかりしていてびっくりだ。
それにしても、いつ頃からかすっかり胃が小さくなってしまっており、そんなに量が食べられないのが口惜しい。
とはいえ満腹に食べられるのは良いことだ。
飯を食べてからは、良いさましも兼ねて富山城公園へ。
多分8年かそこら前に一度出張で富山にはきたことがあったが、その時以上にお城の形をしたただの公園になっている。
時間にして確か21時前だったが、既に人気も少なく、驚くほど静かであった。
ちなみに飲み屋でも隣席のグループが話している声を聞くともなく聞いていたが、みんな20時までに飲み終えて帰宅することが既に習慣化しているそうだ。
普段仕事をしていると、それくらいまでやっているのが普通で、むしろそこから飲み始めるのが当たり前の感覚なので、ちょっと驚いたくらいだ。
ともあれ、お陰で暗がりの中、しばらく空なんぞをみながらぼーっとしたのだけど、これが存外いい時間となった。
そもそもこういう時がほしくて私はウロウロしていたのであったと。
その時一筋の流れ星が見えた。
初めてみたな。
そんなこんなで宿に戻って、サウナと風呂にはいつまでこの日は就寝。
翌日は朝からまたウロウロ。
まずはガラス美術館へ。
ガラス工芸についてはちょいちょい展示の中に入っているものを見る程度であったが、今まさに現役の人たちの作品を、これだけまとまった単位で見るのは初めてである。
ガラスなんて、私にとっては食器でしかなかったのだが、これがみているとなかなかに面白い。
オブジェというか、ガラス芸術という感じなんだろうけど、いわゆるガラスの感じと全然違うテクスチャを見せたり、繊維のような見せ方や中には布とか発泡スチロールのような質感になっているものまでさまざま。
吹き方とか彩色といった技術的な要素もさることながら、ガラスの種類もいろいろあるらしく、それによっても具合が変わるのだそうだ。
複数のレイヤーを作って、階層的な光を見出すなどは観ていてシンプルに綺麗だなと思ったし、これどういう構成かしら?ということも多方面からつい眺めてしまう。
そうすると、なるほどここにこうやって色をつけるとこう見えるのかとか、光の入り方でもだいぶ違うぞとか、そういうのが面白いね。
こちらは小島有香子さんという人の作品だそうだが、このミニチュアがあったらぜひ飾りたい一品だ。
ちなみにショップで彼女の作品を使ったアクセサリーがあったのだけど、シンプルな造形と光の具合でキラキラする感じなど品があってよかった。
嫁や彼女にはこういうのが似合う人が、多分好きだ。
また、名前を忘れてしまったのが口惜しいが、多層的にガラスを重ねた各レイヤーにそれぞれクレーターのようにくぼみをつけたような、見た目は水瓶のような作品があったのだが、これもよかった。
上から見るとクレーターの影で水滴が落ちていくような見え方になり神秘的。
多分写真で見ても本質は伝わらず、適切な照明のある環境でこそ真価が伝わるものだろう。
絵画でもなんでもそうだけど、やはり芸術は直に触れてこそだ。
なんとなく立ち寄っただけだったが、思った以上に楽しめた。
ちなみにこの建物はかの隈研吾さんが設計したもので、建物自体もオシャレでした。
美術館を出ると、駅を経由して海辺らへ。
路面電車に揺られながらというのもいいですね。
今日のテーマはあえて何もしない、ということなので、何もなさそうなところへ。
と言いつつ調べたら一応観光ポイントはあったので見てみる。
岩瀬浜というところだが、ここはわずかながら昔ながらの街並みを残しており、地元の名士の家を中心に古い街並みを見ることができる。
この中に銀行があるのだが、その佇まいがナイスだった。
ちなみに中は見慣れたいつもの銀行だった。
ほんの百数十メートル程度なのですぐに通り過ぎると、お腹も減ってので通りにある飯屋で昼食。
食べ終えるとそのまま改めて海岸へ。
海水浴場になっているエリアのようだが、季節は既に秋だ。
すっかり閑散としたところだが、丁度座るにも良さそうなポイントを見つけてしばし惚ける。
周りにはトンビやカモメ、そしてカラスにスズメと様々な鳥が飛んでいたが、たまにすぐ近くを飛翔するのでなかなかの迫力である。
と、不意に2羽のカモメが近づいてきた。
本当は動画も撮ったのだけど、何かを期待するように近づいてきて、その後1羽は私が去るまでずっと2mほどの距離のところにいた。
君はひょっとして何かの生まれ変わりだろうか。
そんなイベントもありながら、小一時間ほどゆっくりして駅へと帰ったのであった。
そんなわけで東京への新幹線を待ちながらせっせと書いているが、幸い天気も良くて、いい感じにリフレッシュもできた。
やはりたまにはこうして見知らぬ風景の中を歩くことも大事だよね。
たまに思いついたように奥多摩へ出かけることはあったが、全く違う景色を行くのもまた一興。
特に最近は美術館であればとりあえず覗くということも楽しいので、どこに行ってもそれなりに楽しめるのである。
来週からは新しい職場になるので、残りの休みで整えて、準備していこう。
楽しい2日半でした。